ぱんじーすみれのおもってたんとちがう!

国際ファミリーがくりひろげる、「おもってたんとちがう!」日常エンターテイメント。

「ルー大柴化」問題

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我が家の、「ルー大柴化」が深刻になっている。

日本語の中に英単語をまぜて、「トゥギャザーしようぜ」や「寝耳にウォーター(※寝耳に水)」といった話し方で一斉を風靡したルー大柴さんによる「ルー語」。私と夫の日常の会話が絶妙なバランスでおかしな日本語英語=ルー語になっているのだ。遅かれ早かれ国際カップルに訪れる試練なのだろうか。

そもそも、ネイティブと結婚すれば英語がペラペラになるなんていうのは幻想だ。確かに、他の人よりは英語上達のアドバンテージはある。しかし、話せるようになるためには身をパウダーにして勉強する必要があるのはエブリバディと変わらないことは声を大にして言いたい。

先ほど、ネイティブとの結婚は英語力アップのアドバンテージがあると言ったが、それはヒアリングにおいてであってグラマー(文法)は違う。私が間違った英語を話しても、夫はいちいち訂正してはくれないのだ。夫はパートナーであって英会話の先生じゃないのだから当然である。少々間違った英語でも通じてしまう、間違っても訂正してもらえない、この2つが国際結婚における語学上達を阻んでいる。逆もしかり。夫が日本アニメから得た変な日本語を話しても、笑うだけでいちいち訂正はしない(そこはしろ)。こんな感じで生活をつづけていた結果、日本語と英語の境界線がじわじわととおかしくなり、私たちは「ルー化」してしまった。コロナが明けたら夫の家族に会いに行こうと思ってたのに、これでは夫の家族に合わせるフェイスがない。

ということで、アゲイン英語の勉強を始めている。参考書や単語帳ではスリーデイズ坊主になるのが分かっているので、お気に入りのドラマ(SEX AND THE CITY)や映画を見て楽しく「フレーズ」ごと覚えている。キャリーたちの下世話な話を楽しみつつ、生きた英語と使用シチュエーション学ぶ、まさに「ワンストーンツーバード」の方法だ。町中で「ファビュラスファビュラス」聞こえてきたらそれはサマンサじゃなくて私、スミレパンジーなのでよろしく。

さて、国際結婚カップルを襲う「ルー大柴化」クライシスだが、例外もあることを言及しておこう。それはどちらかが相手国の言語を話せない場合だ。たとえばうちの妹夫婦(※姉妹そろって国際結婚)。彼らは日本在住ではあるが、夫はアメリカ海軍に所属し、職場環境は英語、給与もドルでもらっている。日本に住みながら日本の税金システムにも保険システムにも組み込まれない生活をしているので、夫側の日本語を覚えようとするモチベーションはどうしても低くなる。私の夫のように、日本の会社(外資であっても)につとめ、日本円で給与をもらい、税金や保険料を払う生活をしている者とでは、日本語レベルが全然ちがうのだ。だから妹夫婦は会話に日本語が混ざることはないし、ゆえにルー化することもない。私たちのように、中途半端にお互いの言語を話せてしまう夫婦はルー化しやすいので、日常会話には注意が必要なのだ。そしてお互いのためにも夫は日本語を私は英語を完璧にマスターしたいところだ。

ここまで聞いて、「やっぱり国際結婚は大変そうだ」と思う人も少なくないと思う。でも、国際結婚だろうと日本人同士だろうと、結婚生活にはある程度「努力」が必要になってくるものではないだろうか。むしろ国際結婚は、「文化の違い」や「言葉のちがい」といった“はっきり見える壁”があるぶん、「違い」や「障害」に対する適応力があるとも言える。実際これまで、お互いの「違い」にショックを受けたりもめたことは何度もあるが、最初から障害が多いと分かっていたぶん、柔軟に対応してこれた。国際カップルだからこその強みだと思う。

国際カップルが増えてきたとはいえ、その実態(?)についてまだまだ知らない人って多いと思う。私自身、いまだ毎日が驚きと発見の日々だ。きっとこれからもたくさん壁にぶち当たるだろう。でもそこは「笑うゲートに福カミング」の精神で乗り越えて行きたいと思う。