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「夫が髪を切っても気づかない」くらいがちょうどいい

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photo by Vecteezy

 

外国人女性は前髪を作らない。

なぜなら、外国では「大人っぽい」「セクシー」という要素が男女ともに人気だからだ。「かわいい」が人気の日本とは正反対なのである。そんなわけで、外国ではショートカットよりも、ロングヘアーの女性が多い。

うちの夫も、ロングヘア―の女性が大好きだ。夫の友だち、ライアンもそうだ(ルーシー・リューのような髪型の彼女がいた)。彼らに言わせてみれば、男性にはないからこそセクシーなんだそう。自分にはない要素に魅かれるのは分かる。私も、胸板の厚い男性や、低い声の男性にはグッとくる。

ロングヘアー好きが高じて(?)、我が家には夫が作った変テコなルールがある。それは、私の髪型について。ショートカットは禁止、ヘアカットはどんなに短くても肩までの長さに、というものだ。間違いなく「ショートカットの女性」から顰蹙を買うルールである。

個人的には、自分らしさ犠牲にしてまで「好きな人好みの外見」になる必要はないと思う。だが、とくに「ショートカットにしたい」という強い願望もこだわりも私にはないため、いまのところこのルールが日米戦争(ただの夫婦喧嘩)に発展することもなく平和に過ごしている。

ある日のこと。

バーのテレビに映った日本人女性を見て夫が質問してきた。

「この人は男? 女?」

え?

私は心底驚いた。画面にうつるその人はどこからどう見ても女性だからだ。

「女だよ。見ればわかるじゃん」

「No. She has short hair.」

見極めポイント……そこっ⁉

なんと夫は、女性がショートカットだったので「男」だと判断したようだった。しかしそれにしては、声が高いと不思議に思ったらしい。

いや、それにしても。髪が短いから男性、長いから女性という区別の仕方はあまりにもざっくりやすぎないか。私はそう夫に言った。すると夫は、「ライアン」と近くにいるライアンを呼び寄せ、ショートカット女性の画像を見せながら聞いた。

「これは男? 女?」

「男」

ライアンは即答した。はやっ。そしてざっくり判断しすぎ。こいつらそろいも揃ってグラハムクラッカーかよ(※)!

※ざっくり、ざくざくした触感が特徴のアメリカのお菓子


嘘みたいな話だが、(というか嘘だといってくれ)夫とライアンは髪の長さでぱっと見「性別」を判断しているようだった。百歩、いや百万歩譲って、私たちも「長髪の男性」を女性と見誤ることもあるだろう。だがさすがに正面からおじさん(ロングヘアー)を見て、「女だ」とは絶対ならないと思う。もし間違えることがあったら? そしたらその時は、下着姿でポールダンスを披露してあげようではないか(一生叶わないであろう夫の夢)。

夫とライアンの「性別」判断方法にいまいち納得できないので、「ショートカットの女性 男性見間違える」と検索してみた。

すると、なんと。そんなまさか。

「よく男性に間違われて困っている」、という女性をヤフー知恵袋でちらほら発見したのだ。

お悩み内容を読んでみると、彼女たちの共通点が浮かび上がってくる。それはやはりというか、そんなまさかというか……「ショートカット」であるということだった。

MA・JI・KA・YO……。

夫とライアンの目がバグっているだけだと思っていた。だが、真実は。地球人、ヒト科、男属の目がバグっていたことが判明した瞬間だった。あぁ、神よ。

太古から狩りを担ってきた男たちは、その役割上、一瞬で獲物か否かを判断しなくてはならなかった。そうして獲物をとらえ、食べ、生き、種を残してきた。だが生きるために獲得した能力が現代では「あだ」となり、パッとみて髪が短ければ男、長ければ女と認識してしまう、観察能力が「ざる」レベルの目を持て余すことになった。……そういうことなのか? 詳しい人、だれか教えて。

だがこれでよかったのかもしれない。もし男たちがザル・アイではなく、女たちのようにこと細かく観察し、ささいなことに気づくようだったら……。その方が私たちにはよっぽど都合が悪くなる気がするからだ。たとえば補正下着のおかげで作れるプリケツとか、パッドを重ねて作るフェイク巨乳とか。


「髪を切っても気づいてくれない」「新しいネイルにきづいてくれない」

そんな愚痴が言えるのは、実は幸せなのかもしれない。

そんな風に思いながら、私は今日も「矯正下着」を穿くのであった。

***

次回もぜひお楽しみに。

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↓やっちゃえNISSAN、なっちゃえDOKUSYA↓


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