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夫のクローゼットを整理していて、ふと「両親へ挨拶」をした日のことを思い出した。
ホテル椿山荘にあるレストラン「みゆき」。8年前、私たちはここでいわゆる「娘さんをください」をおこなった。父は厳格なタイプだったので、きちんとした場所でやらなければ、と見つけた場所だった。
父が驚かないよう、私の恋人が「アメリカ人」であることは、事前に母から父へ伝えてもらっていたが、母がいうには父はなんとなく知っていたようだった。なんとなく知っていたって、どうやって? 父親はミステリーである。
会場には、私は両親とともに向かい、夫とは現地で待ち合わせだった。だが、待ち合わせの時間になっても夫が現れず、ハラハラ。こういうとき、早めに来ているものではないのか。
「来ないんじゃないの?」と母が笑えないジョークを発したところで、「ハロー」と夫が背後から現れた。正面のエレベーターから降りてくるとばっかり思ってたので驚いた。どうやら私たちより早く到着し、トイレに行っていたようだ。
しかし私が驚いたのは、背後からの登場だけではなかった。夫が、ジャケットに‟ジーパン”と言う姿で現れたからだった。さんざん「スーツ」で来るようにいったのに。
前日の夜、実は「夫の服装」でもめていた私たち。夫が急に、「ジーパンを穿きたい」「ジーパンはアメリカ国民の誇り」だからと、わけの分からないことを言い出したからだ。いや、たしかにジーンズと言えばアメリカだけれども。
元は「鉱夫用の破れない作業服」として作られたジーパン。それが「ロック精神」「自由」を象徴する服として若者の間で人気になり、時代の流れとともに一般的なカジュアルウェアとして国民に浸透していった経緯をもつ。
そんなジーンズの歴史を知ってか知らずか、夫は明日の勝負服としてジーパンを着たいと譲らなかった。私としては、夫の気持ちを尊重したいと思いつつも、父のことを考えると絶対に上下スーツで着てほしかった。
だが、これが私の選んだ男なのだ。夫は夫なりのアメリカン精神を、ジーンズを身に着けることで我が両親に見せたかったのだろう。
しかしジーンズ姿の夫を見て両親が不快な思いをするのでは、という私の心配は杞憂に終わった。
夫は、日本語学校で習った日本語パワーを最大限発揮して(ときどき私が通訳したが)思いを伝え、目的である「両親への挨拶」を無事に果たしたからだ。
そう、夫ははっきりと両親に私への愛を伝えてくれた。
父の「(国際結婚)2人は大丈夫なのか」「私でいいのか」という質問に、「薫さんを本当に愛しています」「大事なのは愛です。私たちには愛があります」と、父の目をみてまっすぐと言ったのだ。
細木かずこも顔負けのズバリ言うわよ。これには、不覚にも両親も私もうるっときてしまった。夫の揺るがない強い意思「ロック精神」。私も両親もしっかりと感じたのである。
あのとき穿いたジーンズは、もう擦り切れてしまってないけれど。
夫のクローゼットには、普段着でもあり勝負服でもあるジーンズが誇らしげに並んでいる。
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次回もぜひお楽しみに。
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