「Mr.ビーン」という男性をご存じだろうか?
英国版、変なおじさんとでもいおうか。どうしてそうなる? と突っ込まざるをえないハプニングを次々に引き起こす、コメディ界のおっちょこちょい王、それがMr.ビーンだ。
実は私、Mr.ビーンにまけずおとらずのおっちょこちょい。なので、Mr.ビーンが何もないところで転んだり、意図せず物を壊してしまったりすると、あ~あ、といつもの自分を見ているようで落ち込む。なので、テレビシリーズも映画も、最後までちゃんと見たことがないのである。
そんな私ことMrs.ビーンのおっちょこちょい伝説をざっと紹介するとこんな感じ。
・子どもの部屋を掃除中、おもちゃのベビーカー(娘たちのお気に入り)を持ち上げたところ、取っ手がもげる
・メルちゃんの髪を早く乾かしたいからと横着し、御法度のドライヤーを使ってチリチリヘアーに早変わりさせる
・車で左折が下手なため、半年に一回は縁石に乗り上げ「ぎゃっ、何今の音⁉」と叫ぶ
・買った刺身はだいたい、家につくとすみっこぐらしになっている
・月一でおむつかティッシュペーパーも一緒に洗濯機にかけてしまい、「洗濯機を使って洗濯物を増やす」という錬金術を使う
・手羽先を油にいれるとき、油にふれないよう高い位置から投入しすぎてはねた油でやけどする
・買ったばかりのフレンチプレスや湯呑を割る
・新築の床に包丁を落とし刺し傷をつける
・トマト缶を勢いよく開けて、新築の壁を赤く染める
シリアルやコーヒーやお茶のカス、買ってきたばかりの生卵など、床に落とすと悲惨なものはだいたい落としてるし、家の中のでっぱりや角にもぶつかり尽くした。分かっているのに同じようなミスを繰り返してしまう、それがMr.ビーン族(ただのおっちょこちょい)の悲しいサガなのである。
一方、めったに床に物をぶちまけたり、物をこわしたりしない夫。どうして私がMr.ビーンるのか、不思議でたまらないと言う。それはこっちのセリフだ。なぜ、夫はMr.ビーンらないのだ。水の入ったコップはこぼれるものだろうが。コーンフレークは床に落ちて散らばるものだろうが。重力はつねに敵だろうが!
……と、つい熱くなってしまったが、夫は私のMrs.ビーンっぷりを「もう慣れた」と寛容だ。さすがに夫のお気に入りマグカップを滑って落とし、取っ手が取れてしまったときは、深ーいため息をつかれたが。
「愛するとは、許すこと」
どこで聞いたか、そんな言葉を思い出す。
夫婦をしていれば、相手を許せないくらい憎く思う瞬間もある。相手が信頼を裏切るようなことをすることも。ときにはなかなか許せないほど、頭に血が上ることも。だが、そういうときこそ私は思いだすのだ。いつも夫に許してもらっていることを。
許すのは簡単なことではない。だが、いつも寛容でありたいとは思う。
Mrs.ビーンな私を受け入れてくれる夫と、いつまでも仲良し夫婦でいるために。
***
次回もぜひお楽しみに。
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