ぱんじーすみれのおもってたんとちがう!

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今週のお題「人生変わった瞬間」

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前回のお話はこちら

photo by Vecteezy

ハッピーとか幸せとか。なんでもつければいいってもんじゃない。

数分前。夫から浮気を自白された絶賛アンハッピーの私は、全てのハッピーor幸せと名のつくものを疎ましく思うようになっていた。

何がハッピーターンだ。

何がハッピーサマーウェディングだ。

何がハッピーホーム、ハッピーライフ、タマホーム♪だ。

お菓子もつんく♂も家も、みんな、みんな大っ嫌いだ。

愛を失った今、そうでも思わないと立っていられなかったのだ。……「ハッピーハウス」、と呼ばれるその家の前に。

この中に、夫はいる。そして私はこれから、夫の告白を聞くのだ。落ち着け。震えるな私の足。

ピンポーン。

「はい」

「私」

「どうぞ入って」

いつもなら愛おしく思える、床に脱ぎ捨てられた夫の靴下。もうすぐ夕方だというのに、敷きっぱなしの布団。それらが浮気した夫同様、とても汚らしく見えた。

しばらく沈黙の後、夫は‟I'm sorry.”と言った。

昔も今も、ケンカのときは、私たちは「英語」で会話をする。なぜならケンカ時の夫は完全に日本語モードがオフになってしまうからだ。私も私で、日本語だと怒りにまかせてまくし立ててしまう。それらを回避し、誤解なく会話できるのが「英語」なのだ。

夫は言った。私と付き合って間もないころ、バーで意気投合した女と1回だけそういう関係になったと。でもそれだけ。お互いの名前も知らなければ、連絡先も交換していないと。たまたまそういうチャンスが到来したので、思わずそれをゲットした。完全な出来心だったと。

出来心ってなんだよ。

そう聞いて、夫は所さんも目がテン! な例えをあげた。

「もし君がラインオンだったら、目の前にお肉があったら飛びつくでしょ?」

私がそれを聞いて、「なるほど。分かるわ~」とでも言うと思ったのだろうか。夫の例えは、私に火を油を注いだだけだった。だが夫のいいわけを聞きながら、私は自分がずいぶんと「男の性欲」を誤解していたんだな、と気づいたのである。

目の前に肉を置かれたら、迷わず食いつく。

……それが男の性欲なのか。だが食いつく前に、ちらとでも本命(妻や彼女)の顔が思い浮かび思いとどまることはないのだろうか。あれ、でもじゃあ……。

「じゃあ私も、目の前にお肉(男)があったら食いついていいんだ。」

「それは違う。君は女だから。」

は? チョットナニイッテルカワカラナイ。


今まで、どんなに理解しがたい人も「十人十色」「蓼食う虫もすきずき」「人には人の乳酸菌」を合言葉に、理解しようと柔軟に受け入れてきた私だ。だが、そんな私をもってしても、夫のいいぶんにはサンドイッチマン富澤状態になるしかなかった。

チョットナニイッテルカワカラナイ。

チョット「ナニ」イッテルカワカラナイ。

チョット「ナニ」ガイッテルコトハワカラナイ。


そう、ナニのない私が、ナニの言ってることを理解するなんて無理なのだ。だから問題は、理解できるかどうかではなくて、許せるかどうか、受け入れるかどうか、なのだ。会話が平行線のままそろそろ地球を一周しそうなところで、そう思った。

“I can't do this.”

夫のことは好きだけども、私にはできない。浮気を許せないし、「そこに肉があったから精神」も受け入れいれられない。私は誠実な人と付き合いたい。ハッキリと、そう伝えた。

「君のいう誠実ってなに?」


去ろうとする私に夫が投げかける。

「僕は、ずっと君のそばにいた。クリスマスもお正月も、君が悲しいときも、病気の時も。いつもそばにいて自分の時間と愛を捧げた。それは誠実じゃないの?」

夫の考える「誠実」と、私の考える「誠実」は違う。そんなことを、このときはじめて知る。


「でも浮気したじゃん」

「じゃあ全然一緒にいれない男でも、浮気しなければ誠実なんだね。君はそういう男がいいんだね。」

「それは……」

「じゃあ、君のいう誠実ってなに? 俺は、自分の時間のほとんどを君に使ってきた。これが俺なりの誠実だよ」


でも浮気したくせに。ナニよ。なによ偉そうに。

でも……たしかに。

夫はいつもいつでもそばにいてくれた。私が「愛されてる?」なんて不安になる暇もないくらい、言葉で、態度で示してくれていた。ご飯を食べるときは必ず携帯を脇に置き、私の目を見て話をすることを大事にしてくれた。「風邪を引いた」とLINEをすれば、フルーツやポカリを買い込んで来てくれた。つらいときは必ずそばにいてくれた。誰よりも、私を大事にしてくれた。


でもさ。だからこそ。1回の浮気がとてもショックで、許せないんだよ。

「私は、浮気しない誠実な人が欲しい」。

私の言葉に傷ついたような顔をする夫。浮気したのはそっちなのに。私はふたたび玄関へ向かった。夫はもう、私を呼び止めはしなかった。

家までの道を、歩いたのか電車に乗ったのか、覚えていない。ただ、人目をはばからず泣いていた気がする。かなしいとき、私は人前で泣けるタイプらしい。

さあ、これからどうしようか。失恋はしたけれど、心境は「もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対」とポジティブだった。むしろ、空いた心の穴を早く埋めたくて、もう別のだれかとの出会いを求めていた。あるいは夫への怒りだ。私の求める「誠実な人」をぜったいに見つけてやる。


そうだ、婚活パーティへ行こう。


こうして、自称恋愛相撲レスラー(※なれそめ1話「出会い」参照)である私の、道場破りならぬ婚活パーティー破りが始まるのであった。


「誠実な人はいたけれど、拭えない『これじゃない感』」へ続く

***

次回もぜひお楽しみに。

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↓やっちゃえNISSAN、なっちゃえDOKUSYA↓


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