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「メニュー表」に偽りあり?

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photo by Vecteezy

ある日の午後。夫からこんなLINEがきた。

夫からのLINE

注文したメニューと実際に運ばれてきたメニューが違ったようで、ずいぶんとご立腹のようだった。(※よい子はFワード使わないように)

送られてきた写真を見てみると、たしかに。

メニュー写真の「穴子丼」とは、ずいぶん違う。というか明らかに「穴子」の量が違うではないか。メニュー写真の「穴子丼」は、器いっぱいに穴子が乗っているというのに、夫のは器の半分ほど。残り半分は錦糸卵ときゅうりの千切りという始末だ。これでは写真のものを期待した夫がガッカリしたのも無理はないだろう。

だがしかし。夫がオーダーミスをしたという可能性もある。

「ちゃんと注文した?」

“Of course.”(もちろん)

メニュー写真を指差しながら注文したというので、どうやら注文を間違えたわけでもなさそうだ。

夫と外食すると、「メニュー写真と違うやないか!」といったことがしばしば起こる。多少写真と違っても私はスルーするが、夫はそれができないからだ。

昨日も、2人でマイティ・ソーの新作を見に行ったのだが、館内の売店で買ったポップコーンLサイズを見て怒っていた。メニュー写真ではポップコーンが器に「こんもり」しているのに、実際に受け取ったポップコーンは「こんまり(※)」と盛られていたからだ。「ときめかない部分は手放したの?」と思わず問いたくなるほどに。

※こんまりこと近藤麻理恵さんは、「ときめきを基準に片づける」という画期的型付けメソッドの発案者。

そして「こんまりコーン」を手に夫は、いつもの一言。

「日本の法律ではOKなの?」

アメリカ人である夫は、写真と違う商品がくることにとても敏感だ。というのもアメリカでは、店側の提示する商品写真と実物が大きく違うことは法律違反として訴えることができるからだ(訴訟大国のアメリカといえ、ポップコーンが少ないと訴える人はさすがにいなそうだが)。

法律のポータルサイトJUSTIA」に、以下のように説明がある。

「False Advertising Under Consumer Protection Laws」by JUSTIA

‟Misleading illustrations or photographs”

つまり、誤解を招くような写真や画像は虚偽広告とみなされ、消費者保護法で禁止されているのだ(詳しい法律条項についてはコチラをチェック)。

虚偽広告に厳しいアメリカの出身だからこそ、「メニュー写真と違うやないか!」と過敏に反応してしまう夫なのである。

さて、夫の疑問に答えるべく、日本にも誇大広告を取りしまる法律があるのか調べてみた。すると、「景品表示法」と呼ばれる法律を見つけた。どうやら同法で規制される「不当表示」には3種類あるようだ。

(1)お得そうだと勘違いさせる「有利誤認表示」
(2)実物よりよさそうと勘違いさせる「優良誤認表示」
(3)そのほかの誤認させる表示

ふむふむ。必要以上に「お得そう」「よさそう」と思わせる広告はダメということか。

(3)のそのほかについては、内閣総理大臣がじきじきに「これはアカン」と以下の6つを指定しているようだ。

・無果汁の清涼飲料水等についての表示
・原産国についての表示
・消費者信用の融資についての表示
・不動産おとり広告についての表示
・おとり広告についての表示
・有料老人ホームについての表示

はて、先の穴子丼やポップコーン事件は、どれに該当するのだろうか。実物は‟こんまり”なくせにこんもり写真を使っていたから(2)だろうか。

……なんて真剣に考えたが、私も夫も裁判沙汰にするつもりは毛頭ない。そもそも、広告とは消費者へのアピールツールだ。芸人の話のように、多少の「盛り」が入るのは、みんなわかっている。「景品表示法」もその辺は理解しているようで、広告におけるすべての誇張を禁止してはいない。あくまでもやりすぎを禁止しているわけだ。

横で、アメリカ人のくせに店員には強く言えない夫がぐちぐちとうるさいので、代わりに店員に声をかけることにした。

「これ、写真と違うので、写真と同じように盛ってもらえますか?」

店員の女性はすこしびっくりしたようだが、「すみません」と言ってポップコーンをよそいなおしてくれた。改めて手渡されたこんもりコーンに、夫も満足そうだ。

こうして私たちは、映画とポップコーンを心置きなく楽しんだのであった。

***

次回もぜひお楽しみに。

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