「海賊王に俺はなる!」と言えばルフィだ。
ワンピースを目指すルフィの旅はかれこれ104巻になるが、まだまだ終わらなそうだ。
私たち女も似たようなものだ。「いい男の嫁になる!」と、ピースサインする未来を目指して旅をしている。しかし、はたと思うのだ。「いい男」とは……?
私は恋愛マスターでもなんでもないが、人並みに恋し、人並みに失恋経験もある。いい男を探しさまよい、「いい男がいない」と自分を棚に上げて嘆いていたこともある。
そんな私がいい男とはこういうことを言うのではないか……と思った出来事がある。手前みそになるが、それは夫(当時は彼氏)に手料理を作ったときだ。夫は、私の手料理に何回も「ありがとう」と感謝の言葉を口にしたのだ。
「作ってくれてありがとう」。「おいしかったよ。ごちそうさま。」
料理を作ってもらったのだから、お礼は言って当然かもしれない。だが、この当たり前をできない人もいる。だからここが見極めになるのではないか、と思うのだ。
私の父は、典型的なモラハラだった。母の作った料理に文句こそ言えど、「ありがとう」と絶対に言わない人だった。それは父にとって、母が、妻が、嫁が、料理を作るのは「当たり前」のことだったからだと思う。
相手がそれをするのは当たりまえ。自分はしてもらってあたりまえ。そんな気持ちのある人は、相手がしてくれたことに感謝をすることはないだろう。
私の夫は昔っぽい考えの人だ。妻には外で働かず、家で家事育児をしてほしいと思っている。でもだからと言って、女性を見下しているわけではない。きちんと女性の仕事にリスペクトをもっていて、それが日々の行動からしっかりと伝わってくる。
子どもを寝かしつけた後、疲れている私を見てお茶を入れてくれたり、体をマッサージしてくれたり。私を労わる行動から、私の労働に対する感謝と尊敬を感じるのだ。
相手に対して「リスペクト(尊敬)」があるか、ないか。これも、とても大切なことだと思う。
人にしてもらって当たり前、と言う人は、相手を尊敬していない。やってもやっても、それは「当然」と受け取られるだけなのだ。そんな人とは、思いやりや気づかいのある関係を築くのはむずかしいだろう。
だからそんな男を捕まえないために、ひとつ手料理を作った反応は目安になるのではないか。そんな風に思うのだ。
私の母は、感謝もされない料理を父に作り続けたことで、料理する自信をなくし、料理するのも嫌いになってしまった。とても悲しいことだ。私は母の作る餃子やチャーハンが大好きだったのに。
いっぽう私は。味がいまいちでも、見た目が悪くても、「いつもありがとう」と感謝してくれる夫に料理を作り続けたことで、料理の腕があがり、料理するのも大好きになった。
誰かが自分のためにしてくれたことに「ありがとう」と言える男は、”言える”男、つまり「言い(いい)男」だ。
そして言い男は、女に自信や勇気をくれる、いい男なのだ。
You look the same.
君は変わらず美しいね。アメリカ人である夫は、そんな照れくさいこともさらっと言えてしまう。恥ずかしいけども、素直に嬉しい。キレイでいよう、とモチベーションも高まる。
「自分の家族がほしい!」と国際恋愛の海へ飛び出したかつての女ルフィこと私は、4年をかけてその夢を実現した。四皇や七武海といった強敵はいなかったが、それなりに山あり谷ありの冒険だった。
とちゅう、船が座礁したり、沈没しそうになったこともある。だが、あきらめずにこれたのは、夫が私に自信や勇気をくれる言葉を言ってくれたからだ。2人一緒ならグランドラインを、ワンピースを目指せると思ったのだ。
今、恋愛で勇気がくじかれてしまっている人に伝えたい。
ワンピースの世界で、海を渡るのに欠かせないアイテム「ログポース」。私たちは、手料理をふるまい、その反応をログポース(記録)し、目的の島を目指そうではないか。
合言葉はもちろん、「いい男の嫁に私はなる!」だ。
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次回もぜひお楽しみに。
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