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虫歯の教訓

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夫が虫歯になった。

日本に来て、3本目の虫歯である。たまに歯を磨かずに寝てしまう日があるので、そのせいではないかといったところ、「日本に来てから虫歯が増えた」と、聞き捨てならない言い訳をしてきた。だがここで、むっとしても何も解決しないので夫の話をよくきいてみることに。

すると、夫のいう「日本のせいだ」という理由が分かった。アメリカに住んでいたときは、定期的に歯医者でケアを受けていたようだ。しかし、日本に来てからはなかなかいい歯医者に出会えず、プロによるケアを長いこと受けられなかったためだ、と。

たしかに、私たちはかかりつけの歯医者がない。以前住んでいたところでは、近所で評判の歯医者に夫婦で通っていたが、夫が「あそこは腕が悪い」と通わなくなって以来、かかりつけ医がない状態だ。

あとになって思ったのだが、あの歯医者はけっして腕が悪かったわけではないと思う。ただ、アメリカ人である夫の完璧でない日本語と、英語のできないおじいさん先生では、ミスコミュニケーションがあった。そのせいで適切な治療が受けられなかったのでは、と思うのだ。

夫がその歯医者に不信を抱いたのは、虫歯を抜歯したときだ。抜歯後、あらかじめ型をとっていたセラミックの歯を埋める工程時。おじいさん先生は、セラミックの歯を少しづつ削りながら、夫の歯にあて「違和感はないか」「不快に感じる場所はないか」と、義歯の調整をしていった。

夫は、新しい歯に少々の違和感を感じながらも、それを言葉にして伝えることができなかった。つけ初めだし、これくらいの違和感はしょうがないのかも、と思ってしまったという。そしておじいさん先生は、夫が感じる多少の違和感に気付けなかった。

それから数日。歯を磨くと、時々セラミック歯の付け根から出血したり、かみ合わせ時に痛みを感じながらも、夫は「まだ馴染んでないせいだ」と言って先生のところへ行こうとしなかった。

さらに月日は流れ、そろそろ歯医者へ行かないとまずい、となったときには、「今さら遅すぎるかも」と変な遠慮心が出てしまい、行くのを躊躇してしまう始末。そしてとうとう、一回も行かないまま引っ越しをすることになり、先生とはそれっきりになってしまった。

ミスコミュニケーションによる医者不信に陥ったせいで、夫の大切な歯をきちんと治療できなかったのは、妻である私のせいである。

あのときちゃんと、夫に付き添っていたら。

そうしたら夫が感じた小さな違和感を、きちんと日本語にして先生へ伝えることができたのに。きっと私がそばにいたら、夫も「言いずらい」なんて遠慮せず、きちんと「こうしてほしい」」と言っただろう。

夫が「1人で大丈夫」と言ったから。

子ども2人を歯医者に連れていけないから。

当時はそんな理由で立ち会わなかった。だが、夫は私に迷惑をかけまいと気を使ってそう言っただろうし、子どもは託児サービスを使えばよかったのだ。

夫にとって、外国での初めての抜歯。どんなに不安で怖かっただろうか。それなのに付き添わなかったことを、今でもとても後悔している。

あれから。

夫はかかりつけの歯医者を東京で見つけた。そのクリニックの先生たちは、オーラルケア先進国であるアメリカで歯学を学んだ実力者たちで、英語も話せる。患者の7割は外国人で、大使館で働く駐在員たちから評判のクリニックである。

夫はそこで、やっと信頼のできる先生に出会い、現在は定期的に歯のケアをしている。おかげさまで、虫歯の心配もなくなった。

おじいさん先生とのことはいい教訓になった。医者の技術はもちろん大事だが、それと同じくらい「コミュニケーションがとれる先生かどうか」も大事だと学んだからだ。

歯にまつわるおもしろい英語のことわざがある。

The gods send nuts to those who have no teeth.
(神様は歯のない者にクルミを授ける)

神様はきまぐれ、という意味で使われるそうだが、せっかくのクルミも、歯がなくては食べられない。

神様のきまぐれがいつ起きても大丈夫なように、私たちは歯を大切にしていきたい。

***

次回もぜひお楽しみに。

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