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察する文化と夫

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先日ツイッターで盛り上がっていたこちらの投稿。

リプ欄をみてみると「同意」する声が多数で、自国の「察する」文化に辟易している人は多いんだと知った。わかる。察するってむずい。

私は、「空気は読むものではなく吸うものだ!」と学生時代に開き直って以来、細木数子になった人間である。

おかげで嫌われる人にはとことん嫌われるようにはなったが、生きづらさは減った。オーラ(察し察する)の使い手に「ズバリ言うわよ!」はカウンターパンチ並みの威力を発揮したからだ。

おもしろかったのは数子になってから、「外国の人ですか?」「留学してました?」とよく聞かれるようになったこと。空気を読まなさすぎて「こいつは自己主張しないと生きていけないアメリカからの帰還兵か」と勘違いされるのは、意外な発見だった。

そういえば「欧米人」は空気が読めない、と勘違いしている日本人は多いが、じつはそんなことはない。

夫はアメリカ人だが、電車の中では小声で話すし、私が子ども相手にバタバタしていればお皿を洗ってくれたり、元気がないときは「カムヒア」といって抱きしめてくれる。

このようにもともと察する力はあるが、察しの国ジャパンにすんでいるうちにレベルアップした感はある。

いぜんは駅前だろうと人通りの多い場所だろうと「I don't give a fuck!(気にしねぇ!)」とキスしていたくせに、最近は人が見てるから……とひかえるようになったし、こないだ友人宅へ行ったときは「素足じゃ失礼じゃない?」と、おしりふきで足をふきだしたときは、こいつはいつのまに帰化したのか、と思った。

このままいったら数年後にはピンポンがなる前に「客人だ」とか言い出しそうである。

そんな夫に、いまも「日本人ムズイわ」となる場面はあるのか聞いてみると

「う~ん、ないかな。だいたい空気読めてると思う」

とのこと。

なんやて工藤。えらい自信やないか。

「あっでも、空気は読めてるのにわざと読まないときはあるね」

え?

「でもたいてい『あいつはアメリカ人だからしょうがない……』ってなるし、ヤバそうになったら日本語が話せないフリすればオーケー」

なんと。

どうやら夫は、「外人とのコミュニケーションを避けがち」という和人の習性を利用し、空気の読めない行動をとってもおとがめなしの術を皆伝していたようだ。

しかもいざという時は、鉄矢を降臨させて「ぼく、にほんごわかりませぇ~ん」というあわせ技も一緒に。

異国の地で生きるためにみにつけた術。国内におけるエセ鉄也は、きっと少なくないだろう。

さてそんな夫だが、空気も読めず(読まず?)鉄也ることもできなかったつい最近のエピソードがある。

それはトヨタショップでのこと。

3人目が産まれ、もっと大きな車(中古)を探していた夫は、近くのトヨタショップへ行き

「いい車を見つけた。取り寄せてもらえるみたいだから来週、試乗に行こう」

と帰ってきた。ここまではよかった。

むかえた当日。

その日は車の状態を確認したり、試乗をして終えるつもりが、店内スタッフの雰囲気がなんかおかしい。

え? なに? あんたら買わないの? なんで? オーラがすごいのだ。

空気が明らかに変わったのは、見積もりを見て、夫が「考えます」といったときだ。

担当のYさん(♀)の顔がキッとなり、

「あなたが買うと思ったから、わざわざ他店から現物を取り寄せた。買ってもらわないと困る」(というようなこと)を言ったのだ。

夫が日本人であれば、わざわざ取り寄せてもらったし(取り寄せるためどれだけがんばったかYさんはたびたび力説した)、試乗もさせてもらったし……と少々予算オーバーでも空気を読んで買ったかもしれない。

だが、実際に車の状態を見て「高すぎる」と判断したキング・オブ・ロジカルの夫にとって、このときの空気は読むものではなく吸うものだった。

平和に場をおさめたくとも、それまでペラペラと日本語で会話していたため鉄也ることもできない。

どうする夫⁉

そこへ、

「中古車市場が高騰しているなか、この車種でこの値段はお得だと思います。ほかの店へ行っても、もう絶対に見つからないと思いますよ。」

と、ダメ押しするYさん。

たしかにコロナやウクライナロシア問題で、車の製造が需要に追いつかなかったり、納品遅れがでていた。まちがいなく車市場は今、Yさん側(販売店)に有利な状況だ。

だがYさんは知らない。

夫のモットーが"You want something, go get it. Period.”であるということを。

私がエッチを断ると「I will take it anyway(俺は欲しいんだからどうせもらうぜ)」と返す男であるということを。

Yさんと夫。

見合う両者。

ただよう緊張感。

固唾をのんで見守るYさんの後輩、同僚、上司。

「ママ、まだー? 早く行こうよー」と叫ぶ長女(5歳)。

はたして夫のだした答えは……

「fine(あっそ)」

Yさんは膝から崩れ落ち、約400万円の売り上げは消えた。

私は空気が支配するこの国で、最強なのは「外人」というカードではなく「意思」だということを痛感したのであった。

おわり。

後日、欲しいものは手に入れる精神の夫は「オークション」という手段を使っておめあての車をおとくにゲット★ そのお話はまた書くのでお楽しみに。

***

次回もぜひお楽しみに。


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